みえ地震・津波対策の日シンポジウム(2023.12.17)の全編映像
みえ地震・津波対策の日シンポジウムについて
三重県では、昭和東南海地震が発生した12月7日を「みえ地震・津波対策の日」と定め、毎年地震・津波に関するシンポジウムを開催しています。
令和5年度は南伊勢町との共催により「高齢化地域での津波避難」をテーマに、地震・津波に対して私たちが身の安全を守るため何ができるかを考えました。
(動画ではパワーポイントデータ等を直接貼付けしているため、会場でのポインター投影は反映されていない場合があります。ご了承ください。)
開催内容
(1)日時 令和5年12月17日(日)13~17時
(2)会場 ふれあいセンターなんとう(度会郡南伊勢町1132-1)
(3)主催 みえ防災・減災センター、三重県、三重大学、南伊勢町
(4)参加者数 150名
(5)実施概要
①「みえの防災大賞」表彰式
三重県では、県内各地で自主的な防災活動に取り組んでいる団体を表彰し、これらの活動を県民の皆さんに広く知っていただくことにより、災害に強い三重づくりを進めることを目的として、平成18年度から「みえの防災大賞」を実施しています。
令和5年度「みえの防災大賞」、「みえの防災特別賞」及び「みえの防災奨励賞」の受賞団体に係る活動紹介の後、プレゼンターの知事から表彰状及び副賞が贈呈されました。(動画 0:15:14~)
受賞団体
(1)みえの防災大賞(1団体)
・玉城町防災ボランティア(玉城町)
(2)みえの防災特別賞(1団体)
・三重県立北星高等学校と富田地区連合自主防災隊(四日市市)
(3)みえの防災奨励賞(4団体・50音順)
・加茂小中学校学校運営協議会(鳥羽市)
・多気町防災ネットワークグループ(多気町)
・豊西まちづくりの会(伊勢市)
・三重県立紀南高等学校(御浜町)
②語り
テーマ「高齢化社会での津波避難 ~先人の教訓『命てんでんこ』の共有と実践~」
語り部 瀬戸 元(岩手県釜石市両石町内会 元会長、大震災かまいしの伝承者)
東日本大震災時に、釜石市両石町において町内会長を務めていた瀬戸さん。犠牲者が少なく「釜石の奇跡」と高く評価された釜石東中学校において、震災前から防災学習に協力してきました。
語りの中で瀬戸さんは、釜石市で犠牲になった人のうち、70%以上が65歳以上の高齢者だった事実を挙げ、その理由としてこれまでの地震で大きな津波に遭遇したことがなく、津波に対する危機感が薄かったために避難が遅れたとお話しいただきました。
また、地震発生時に海が黒く濁り地面が裂けて水が噴き出すなど、津波の兆候が見られたら率先して避難する「命てんでんこ」の大切さを訴えました。(動画 0:37:44~)
③基調講演
テーマ「誰一人取り残さない防災を目指して」
講師 立木 茂雄(同志社大学社会学部 教授)
災害時の要配慮者支援のあり方を研究する立木教授。
冒頭で平成30年の西日本豪雨の事例を紹介し、多くの避難行動要支援者が犠牲となった理由について見識をお話しいただきました。
そのうえで、障害のある人や高齢者が命を落とさないために、平時の防災と災害時の防災を連結する必要があると主張。福祉専門職が地域住民らと連携し、津波からの避難行動などを盛り込んだ「災害時ケアプラン」を作成しておくことなどを提案されました。(動画 1:16:38~)
④地元団体の取組発表
開催地である南伊勢町において、平素より積極的に防災活動を行っていただいている2つの団体の方々より、活動の紹介を行っていただきました。(動画 2:18:06~)
発表団体
(1)南伊勢町災害ボランティアコーディネーター連絡会(森井 幸代 会長)
(2)船越自主防災会(岡 孝 会長)
⑤パネルディスカッション
テーマ「高齢化地域での津波避難を考える」
コーディネーター 川口 淳 (三重大学大学院工学研究科 教授)
パネリスト 梅谷 忠一 (南伊勢町身体障がい者福祉会 会長)
浦和 真次郎(南伊勢町古和浦区 区長)
瀬戸 元 (岩手県釜石市両石町内会 元会長、大震災かまいしの伝承者)
濱地 智視 (南伊勢町 防災安全課 課長)
アドバイザー 立木 茂雄 (同志社大学社会学部 教授)
パネルディスカッションでは、津波被害が懸念される沿岸地域に、南伊勢町をはじめ高齢化が進行する市町が多く存在するという三重県特有の課題を踏まえ、津波避難に関する議論がなされました。
障害のある人や高齢者が命を落とさないために地域で助け合うことの重要性が議論されるとともに、要支援者と援護者のペアを予め決めておくことや、個別避難計画の作成を進めるなどの対策が提案されました。
(動画 2:33:04~)